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可睡斎の名称は、文字通り「眠り」に由来します。浜松城主になられた徳川家康は、11代目の住職仙麟等膳(せんりんとうぜん)和尚を招いて旧恩を謝したところ、その席上で和尚はコクリコクリと無心にいねむり。それを見て徳川家康はにっこりし、「和尚我を見ること 愛児の如し。故に安心して眠る。われその親密の情を喜ぶ、和尚 、眠るべし」
とおっしゃられました。それ以来仙麟等膳(せんりんとうぜん)和尚は「可睡和尚」と称せられ、後に寺号も「可睡齋」と改められたのです。それゆえ昔から、可睡斎は眠りとのかかわりが深いのです。
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可睡斎は禅の修行道場。可睡斎で一般の人でも体験できる坐禅は、心地よい眠りを得るために効果があるとされています。その禅の科学を伝えるために、過去1950年代にはBBC(英国放送協会)が、日本に多々ある禅寺の中から可睡斎に取材クルーを派遣し、僧堂の取材撮影を行っています。

「睡眠ホルモン 脳内メラトニン・トレーニング―よく眠れない人のための本(かんき出版)」など多数の著書やテレビ出演でも知られる有田秀穂先生(東邦大学医学部生理学教授)の研究によると坐禅は眠りに良いと考えられています。その理由は「セロトニン」と「メラトニン」と坐禅との関係性です。坐禅の呼吸法は、「脳内物質」の一種であり自律神経のバランスを整える働きがある「セロトニン」を放出させる効果があるのです。この「セロトニン」を昼間に十分に放出すると、ヒトの脳は、夜になり、眠りを誘うホルモンである「メラトニン」を大量に分泌します。すると自然な眠気が生まれるのです。つまり、僧堂での坐禅によりヒトは自然に深い眠りを得ることができるのです。
なお、「セロトニン」は坐禅の他に日常生活では、「日に当たる」「他の人と会話(グリーニング)をする」ことで多く放出されます。しかし、現代社会では「日に当たる」「他の人と会話(グリーニング)をする」機会が失われている傾向にあり、それゆえ、眠りを阻害されて睡眠障害や鬱などに陥る人が増えているのではないか、とも考えられています。
可睡斎で坐禅体験をすると、この「セロトニン」放出による眠りの効果を実感することができます。特に、一泊しての坐禅体験をすると、効果が如実に現れ「ぐっすり眠れた」という声を多く聞きます。
曹洞宗には「夜坐」と呼ばれる夜の坐禅の習慣がありますが、これは、昔から曹洞宗の中に「夜坐」が安眠を促進するという経験値が言い伝えられて定着したものと考えられます。実際に可睡斎では「夜坐」が毎日行われ、僧侶はぐっすりと熟睡しています。そして僧侶は翌朝5時に目覚め、厳しい僧堂の活動を開始しているのです。
眠りの悩みをお持ちの方は、ぜひ可睡斎を訪れてみてください。