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仏教のお寺では、どこの宗派でも精進料理を頂くのだそうですが、特に曹洞宗では開祖である道元禅師が「正法眼蔵」の中に生活面のことを、たとえば顔の洗い方、お風呂の入り方、お手洗いの入り方、そして食事の仕方まで具体的に示されているのだそうです。そのため、曹洞宗の禅寺では精進料理をとても大事にしているのだそうです。
食事を頂くことも修行の一環であるため、本来は坐禅と意味合いが変わらないのだそうです。雲水と呼ばれる修行僧は朝おかゆのみを頂くのですが、それも小一時間かけてゆっくり頂くのだそう。精進料理も、ゆっくりと味わいながら少しずつ全てのお皿を満遍なく頂いていきます。
また精進料理では、動物や魚は頂きませんが、植物だって立派な命と考えます。そのため「最小限度の命を最大限に活かす」調理をするのだそう。たとえば、大根ひとつとっても葉を捨てない、皮を捨てない、そして大根としての味を大切にするんだそうです。「これは現在で言うところのエコなんじゃないか」と老師がおっしゃっていたのが印象的です。

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典座寮という、いわばお台所のようなところで調理を見学させていただきました。「お料理をされる方も和尚さんだ!」なんて、基本的なところから確認できます。
こちらで一番心がけているのは「単なる田舎料理にならないこと」なんだそうです。動物性食品を一切使用しない精進料理、ともすれば暗い色合いの地味なお食事をイメージしますが、そうはならないように意識されているとのことです。
また一般的に精進料理では、「医食同源」という考え方も持っていてそのためには季節のものが一番体に合うのだそうです。お寺を中心とした「四里四方」で食材をまかなうという考え方があるそうなのですが、これが現在でいうところの「地産地消」に相当します。この日のお料理にも地元袋井や、掛川、浜松の「旬」の食材がふんだんに使われていました。そしてその「旬」の食材と、「時知らず」と言われる一年中出ている乾物や豆腐などを組み合わせて料理するのだそうです。

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いざ試食となったのですが、とにかくぱっと見が華やかなんです。精進料理のイメージよりも、料亭のお料理みたいな感じですね。どのお皿も、工夫された品ばかりなので単に焼いたもの、煮たものが無いというのもすごいところ。
たくさんのお皿が並びますが、こちらの自慢はなんといってもゴマ豆腐。春は桜、夏は枝豆、秋以降は黒ゴマなど旬の食材を練りこんで、美しい層が出来上がっています。そして、独特なのがお豆腐の時雨煮と味噌漬け。時間をかけて水切りをした上で煮込んでいるそうで、上品な味わいです。そして同じお皿に並んでいたのが、ボタンの花びらの寒天寄せ。この季節に開催されていた「ぼたん園」にちなんだ一品なのですが、とにかくかわいらしいんですよ。他にも季節のお野菜の天ぷら、塩漬けの桜と葉を一緒に炊き込んだご飯など、どのお料理もびっくりするほどおいしい。そしてこの日のデザートは、地元袋井産のメロンを使用した寒天でしたが、これもまたメロンの味が濃厚。上に薄くかかった豆乳かんも、やさしいお味でした。