秋葉総本殿可睡齋
 

日本一の大東司(だいとうす)と烏蒭沙摩(うすさま)明王(みょうおう)について

烏蒭沙摩明王

烏蒭沙摩明王は、古代インド神話において元の名をアグニと呼ばれた炎の神であり、「この世の一切の汚れを焼き尽くす」功徳を持ち、仏教にとりいれられた後も「烈火で不浄を清浄とする」力を持つことから、心の浄化はもとより日々の生活のあらゆる現実的な不浄を浄める功徳があるといわれます。

人間界と仏の世界を隔てる天界の「火生三昧」(かしょうざんまい)と呼ばれる炎の世界に住むといわれ、人間界の煩悩が仏の世界へ波及しないよう聖なる炎によって煩悩や欲望を焼き尽くす反面、仏の教えを素直に信じない民衆を何としても救わんとする慈悲の怒りを以て人々を目覚めさせようとする明王であります。

また、本来清浄なる自己に目覚めさせる徳をもつといわれ、禅宗では東司の仏様として祀られています。


東司

東司とは、禅宗寺院における七堂伽藍の一つで、便所、お手洗い、トイレのことです。

禅宗には「三黙道場」という修行の道場があります。絶対に話をしてはならない場所のことです。

それは「僧堂」「浴司」「東司」の三つです。

僧堂は坐禅と食事の場所です。浴司はお風呂のことです。

可睡斎の大東司と烏蒭沙摩明王

可睡斎の大東司は、戦前より水洗トイレで、当時の建築の粋を極めた見事なものです。

この東司に祀られている烏蒭沙摩明王は、高村晴雲の一代傑作であり、日本一大きなご尊像が安置されていることでも知られています。

この烏蒭沙摩明王は、腕が四本で、左手は天を指し、髑髏を持ち、右手は、宝棒と独鈷を持っています。

顔は、怒った形の憤怒形で、右足で磐石の上に立ち、左足で歓喜天を踏んでいます。首には瓔珞をかけ、頭の毛は逆立っています。

作者の高村晴雲は初代高村東雲の孫として明治二十六年に生まれ、一生を仏像彫刻に専念された人物であります。
三代目高村東雲であり、晩年は初代晴雲と名乗りました。高村光雲は初代東雲の弟子にあたります。

トイレのお札

烏蒭沙摩明王様は、心身を清浄に目覚めさせるお徳を持ち、特に私達の健康を守護する誠に有難いご利益が有ります。

この烏蒭沙摩明王様のお札をトイレに祀っていただき、毎日トイレを使用するたびにお参りして、日頃の健康の有難さに感謝すると共に、ご家族の健康をご祈願してください。

このお札のお祀りする場所は、トイレの出入り口(お参りして使用できる場所)で、目線より少し高いところに画鋲を使わずに貼って頂くか、棚か、専用のお札入れがあれば置いてください。

正法眼蔵洗浄の巻

永平寺を開かれた道元禅師様は「正法眼蔵」洗浄の巻に東司での心得と作法を大変丁寧に示されております。

その中に「東司上不説仏法」の道理を知るべしと書かれております。

「東司上不説仏法」とは、東司では仏様の教えを説かないのではなく、東司での行い全てが仏様の行いであり、教えそのものであると示されております。まさに東司での行いが修行なのです。

東司・トイレ掃除

昔より禅宗の修行道場では、東司掃除は、もっとも大切な修行の一つとされ、人知れず行う東司掃除は、陰徳を積む修行であるといわれております。

一般社会でもトイレ掃除を行うことより、謙虚な人になれる、気づく人になれる、感動の心を育む、感謝の心が芽生える、心を磨く等人格形成に役に立つといわれています。

 
 
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